鷹の俳人
砂金祐年(いさごゆうねん)
1976年8月生まれ 宮城県出身 水戸市在住
2013年 鷹入会 小川軽舟に師事
2014年 鷹新人賞 鷹同人
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆俳句以外の趣味:読書、食べ歩き飲み歩き
◆好きな食べ物:日本酒、魚介類
◆長所と短所:良くも悪くも気にし過ぎない
◆好きな映画:小津安二郎監督作品
人物評 桐山太志
一言で表すと万能型である。政策的矛盾を抱えた太陽光発電の景を寒々しく描く時事詠の的確さと、獄卒の面を被った人間がうごめく現世を仏教用語で詠み切る教養の高さ。その一方で若々しい青春詠、人間味ある家庭詠、相好を崩した酒気帯びの句に至るまで、切れ味が鋭い上に懐も深いのが祐年句だ。
入会直後から句の完成度が高く、一年足らずで巻頭作家となり、その年の新人賞を獲得した。聞けば句作を思い立ち、結社を選ぶまでに独学で千句創作を行ったという。大学で教育や研究をする多忙な身でありながら、これからも俳句への情熱は冷めることはないだろう。
自選十五句
投手の目打者の目炎暑静かなり
冬枯を鎧ふソーラーパネルかな
なぞなぞのこたへ単純ぎんぎつね
風鈴や星生む刻の空の色
朝ぼらけ釈親鸞の忌日かな
海鞘を噛み父は言葉を継がざりき
抱一の画集めくりぬ月の雨
新橋の塵氛に春惜みけり
春寒や官報隙間なく貼られ
体ごと持つていかるるビールかな
ジオラマに見入る父と子火恋し
椿寿忌の日差しは谷戸を移りけり
入道雲大見得切つて立ちにけり
表札の無き母子寮の飾かな