鷹の俳人

今井妙(いまいたえ)

今井妙(いまいたえ)

1938年11月生まれ 宮城県出身 群馬県前橋市在住
1972年 鷹入会
1984年 鷹同人に推挙
1986年 「坂」発刊 同人に
1991年 坂賞受賞
1993年 群馬県俳句作家協会理事
1996年 「鷹同人シリーズⅥ・2」句集『祭囃子』上梓
2002年 群馬県知事賞(群俳協第69回俳句大会)
2003年 故郷宮城県栗原市の滝不動参道に句碑建立
2012年 瑞宝単光章を授与される
2016年 「まどか」発刊とともに「まどか」の代表に
2020年 「まどか令和抄」合同句集として出版

ミニ・アンケート

◆趣味:書道、山歩き
◆好きな食べ物:寿司、ゆで卵、ケーキ
◆長所:何ごとにも辛抱強い
◆短所:子供達に対して小言が多い
◆苦手なもの:猫(子供の頃、囲炉裏で焼く魚の見張りをしていて、少しの隙に猫に魚を盗られ叱られたため)

人物評 安東洋子

 妙さんを色に喩えれば赤色です。あたりをぱっと明るくする達人です。声はソプラノ、好奇心が旺盛で人の気付かない所に独自の視線が働きます。耕している人を見れば声をかけ、節穴があれば覗き、嵯峨野では炭を焼いている人に気に入られ沢山の炭を貰って困ったこともありました。
 先日赤城の森林公園を歩いていた時、鶯の声が近くでしました。妙さんは「褒めると鳴いてくれるよ」と言って「良い声だね」「上手だね」としきりに褒めていました。鶯は姿まで見せて鳴いてくれました。
 いつも前向きの少女のような妙さんです。
これからと思ふショールを羽織りけり  妙

自選十五句

合掌の屋根打つ雨や松納

鼻油つけて回しぬ独楽

あいにくの雨もまた良し小正月

焼芋を掻き出す棒の燻りぬ

寒風のあはひの空の青さかな

落ちさうな母の眼鏡や小豆選る

菩提樹の幹の周りの雪解かな

片膝にたたむ襁褓や笹子鳴く

結び目のほどけるやうに春兆す

雨雲の尾根ゆく迅さ呼子鳥

ふるさとの変らぬ野川嫁菜摘む

木々芽吹く覚えにくきは曽孫の名

寝そびれてゐるを知らぬか夜鷹啼く

けぶり立つ杉の花粉や宮の森

真つ向に浅間の煙春田打

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