鷹の俳人
三代寿美代(みしろすみよ)
1959年8月生まれ 島根県出身 松江市在住
1981年 鷹入会 藤田湘子に師事
2007年 鷹同人に推挙
2008年 鷹新葉賞
2016年 句集『縁(えにし)』上梓
2021年 鷹月光集同人
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆趣味:いろんなジャンルの歌を毎日歌う、聴く、踊る
◆長所:何にでも一所懸命 どんな時も夢と希望をもち笑顔
短所:頑張りすぎる、我慢しすぎる、心配しすぎる
◆カラオケでよく歌う曲:髙橋真梨子のfor you 山口百恵メドレー等々多数
◆コレクションしているもの:松本潤に関するグッズや本
人物評 山岸文明
寿美代さんの俳句の特徴は、流れるような音楽性と艶やかな言葉の響きにある。生来の美しい声の張りとリズム感の良さは俳句作品にも遺憾なく発揮されているように思う。切ない女の性を吐露した句にも、さりげない呟きに似た句にもベルベットのような光沢がある。
音楽性と言えば、NHKのど自慢大会での合格、音楽仲間や娘さんとのライブ活動、プロ歌手と同じステージで歌ったこともあるなど、その多彩な経歴を知って驚く。
句集『縁』の序文に記されている通り、小川軽舟主宰から「投句用紙に触れただけで感電しそうなほどだった」と驚嘆され、新葉賞受賞へと突き進んで行ったのも記憶に新しい。
難病と闘う日々の中でも、「空に太陽、われに歌」と明るく未来志向の寿美代ワールドが新たな展開を見せるのを楽しみにしたい。
自選十五句
香水瓶並べし程に気まぐれも
東京は闇に飢ゑたり金魚玉
百合手向け事もあらうに嫉妬心
狐火や陶器のやうな女の背
蝌蚪に足もはや私の手に負へぬ
風船のちやほやされて割れにけり
湯ざめする女の身にもなつてみよ
淋しさにつけこんでくる寒さかな
相槌が寝息に変はる月の宿
蓑虫や元手があれば出てゆける
情深きことに倦みたる蛍の夜
枇杷すする自分に腹が立つてくる
冴返るガン
産声は赤子の本気星冴ゆる
向日葵とぞつとするほど青い空