鷹の俳人

宮木登美江(みやぎとみえ)

宮木登美江(みやぎとみえ)

1943年2月生まれ 横浜市出身 横浜市在住
1976年 鷹入会 藤田湘子に師事
1985年 鷹同人
2016年 鷹俳句賞
2021年 鷹月光集同人
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:植物の世話
◆好きな食べ物:無花果 柿
◆長所と短所:大雑把をおおらかと長所にすれば短所無し
◆好きな映画:「風と共に去りぬ」
◆コレクション:石の類い

人物評 山下桐子

 登美江さんの「鷹」歴は四十五年になるという。その後半の二十年を戸塚句会でご一緒したのだから長い付き合いになる。いつも穏やかでゆったりと構え、そこに居るだけで誰にでも安心感を与えるような人だ。意見の纏まらない様な時、鶴の一声で丸く収まるのは皆に信頼されている証。
 彼女の下で初めて俳句を始めた人には俳号の名付け親になっている。生まれて初めて見たものを鳥の雛は親と思って慕うという。名付け子達はいまや会の中心メンバーとして和気藹々と働いている。
 俳句のうえでは基本に忠実な指導で決してブレることのない頑固さも持ち合わせているが、大鉢で育てている目高をこよなく愛している一面もあり微笑ましい。

自選十五句

播き終へて春満月を帰るかな

早蕨や乗つ越しに靄息づける

氷室守年経て蟇となりにけり

緑さす猪のの砥石かな

潮風にさらす荷瘤や三尺寝

初秋や芝生凹みて鉄亜鈴

船に乗る包の中の朱欒かな

いわし雲かんかん虫に船揺るる

木霊棲むき懐やななかまど

荒し男の鮭焼く火の粉飛び散れり

樅の木は風除け魔除け雪ばんば

脱走の泥こびりつき兎罠

鷹匠の鳥叫に風起りけり

越屋根の垂氷に山の朝日かな

狐火に火種盗られし麓村

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