鷹の俳人
小澤光世(おざわみつよ)
1942年4月生まれ 東京都出身 船橋市在住
1998年 鷹入会 藤田湘子に師事
2005年 鷹同人に推挙
2015年 第34回鷹新葉賞受賞
2017年 第20回毎日俳句大賞(大地の部)受賞
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆趣味:スポーツテレビ観戦(大谷翔平、小林誠司、若元春)
◆好きな食べ物:鮪中トロ、縞鯵、日本酒
◆長所及び短所: 長所:素直 短所:筆無精
◆好きな映画:「慕情」、「哀愁」、「十二人の怒れる男」
◆カラオケで歌う曲:「アカシアの雨がやむとき」、「雨の御堂筋」、「ごめんね…」
◆苦手なもの:毛虫
人物評 穂曽谷洋
爽やかな人である。利発な人である。ねじめ正一の直木賞作「高円寺純情商店街」の高円寺に生を受けた。その下町の土壌が光世さんの人柄を育んだのだろう。
湘子先生からも、日光集の長老石雀さんからも才が愛でられた。その薫陶に応える研鑽が新葉賞(2015年)受賞の結晶となった。
作風は朗々と雄々しく外連味がない。些末な愚痴俳句・台所俳句は皆無といってもいい。代表作のひとつに「雀らも狩のまなこや土用明」がある。そのまなこは作者自身のまなこでもある。恰好な句材に目を止めたら見逃さない。鋭利な刃で切り取っていく。私たち五人会の支柱である。
自選十五句
山越えてしづかな村や花御堂
恋恋と風吹くしだれざくらかな
馬死ねば外す蹄鉄夕桜
桜しべ降る童話に終りあるやうに
雀らも狩のまなこや土用明
蛍火の遣らずの雨に沈みけり
蟇交む冥加の疣のこつてりと
金鈴の音の涼しく散りにけり
二百十日女と鸚鵡黙りゐる
古書店の宇宙密なり鉦叩
冷淡の色の檸檬を投げ呉れし
馳せ死にのルポライターの冬帽子
鷹匠の眼が鷹の眼を突き放す
凍鶴に無辺の光射しにけり
梅咲くや我が晩節の