鷹の俳人
志賀佳世子(しがかよこ)
1940年2月生まれ 兵庫県出身 東京都小平市在住
1987年 鷹入会
1992年 鷹同人に推挙
1994年 第7回鷹エッセイ賞
1997年 第16回鷹新葉賞
1998年 句集『尖塔』上梓
2018年 第54回鷹俳句賞
俳人協会会員
1995年より NHK川越文化センター 俳句講座講師
1998年より 朝日カルチャーセンター立川 俳句講座講師
ミニ・アンケート
◆趣味:コーラス 観劇
◆好きな食べ物:白いごはん さくらんぼ
◆長所:我慢強い(?) 短所:何かにつけてアバウトなところ
◆好きな映画:「エデンの東」(ジェームス・ディーンは私の青春) 「アラバマ物語」
◆苦手なもの:チキン(鶏肉は一切食べない)
人物評 林田美音
志賀さんには熱烈なファンが多いのよ。初学の私に先輩が言った。成程、奥行を感じさせる優雅な佇まい、英語の戯曲の翻訳もこなされる深い教養。才能は藤田湘子にも認められ、直々にカルチャーセンターの講師を任せられたという。季語の巧みな斡旋、例句類句がすらすら出る記憶力、そして指導者として一人一人に誠実に向き合う姿が、敬われ慕われているのだ。
私も海外に住んだ折、句作に悩みたびたび助言していただいた。感謝してもしきれない。俳句を続ける原動力になった。よその結社にいた夫は「鷹には立派な指導者がいるなぁ」と感心したものだ。
志賀さんの喜ぶ顔が見られるなら、もっと頑張ってみようと思える、そんな有り難い存在である。
自選十五句
パイプオルガン奏者に聳え春深し
見舞ひたる役者と春を惜しみけり
下足札への六亀の鳴きにけり
山の日は中天にあり蝶の舌
うれしさは直ぐ声に出てさくら草
夢に佇つデュフィの水辺五月来ぬ
あぢさゐや何もて母を遊ばせむ
エプロンに摘みし絹莢すぐ使ふ
露けしや星座組まざる星の数
門火焚く親の思ひに遠く生き
秋果あふるる地階にひらき昇降機
一房の葡萄聖書の重さあり
火なき炉に王佇めり沙翁劇
スーパームーン寒林隅々まで応ふ
歌舞伎座の繭玉床にとどきけり