鷹の俳人

石原由貴子(いしはらゆきこ)

石原由貴子(いしはらゆきこ)

1951年8月 大阪府箕面市生まれ 大阪市在住
1995年 鷹 入会
1999年 鷹 同人
俳人協会会員
NHK文化センター神戸教室講師

ミニ・アンケート

◆好きな食べ物:寿司、蕎麦
◆長所: 真面目 短所: 冒険しない  
◆学生時代からの呼び名:ゆっこさん
◆好きな映画:「となりのトトロ」 
◆カラオケでよく歌う曲:「しあわせのうた」

人物評 長岡美帆

 由貴子さんはいつも誰かのお世話をされている。鷹関西支部長や同人会副理事長なども務められ、まさに大阪の姉御だ。頼りになるかしましい大阪のおばちゃんである。なのにというか、元着付講師の腕前で着物を着ると、それはそれは凛として美しいお姿になる。そのギャップが自由自在の俳句を生み出しているのは間違いない。
 実家が農家だったせいか、由貴子さんの句は地に足が付いている。風景句だけでなく、感傷的・情念的な句であってもである。強く揺るぎない。喜び悲しみ悔しさも全て呑み込んであの句が出来るのだなと思っている。
 これからどんなものを呑み込んでいくのだろうか。楽しみで仕方ない。

自選十五句

天神祭肌に夜風の取り縋る

蚊を打つて文殊の智慧をたのみけり

春祭鶏がとぶ香具師がとぶ

餅焼いて漁師だまりの喫茶店

鋸入れて稜立ちにけり夏氷

冷蔵庫かがみて髪の豊かなる

御僧の耳わづらひや冬菜飯

木戸閉つる音の乾きや雁帰る

緑立つ蓮如の寺の藁庇

大寒や残照海にへばりつく

浮人形小さき如雨露も交じり浮く

雲迅き隠岐の牧畑冬隣

どんがらも白子も鱈の鍋の華

花韮の夜目にも白し父の家

書棚ごと譲りし絵本小鳥来る

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