鷹の俳人

佐藤栄利子(さとうえりこ)

佐藤栄利子(さとうえりこ)

1984年4月生まれ 福島県出身 武蔵野市在住
2017年 鷹入会 
2018年 鷹同人
2022年 鷹新人賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:編み物 
◆好きな食べ物:カニと桃 
◆学生時代のあだ名:サトエリ 
◆好きな映画:「スタンド・バイ・ミー」
◆カラオケでよく歌う曲:「舟唄」
◆コレクションしているもの:手ぬぐい

人物評 夕雨音瑞華

 明るい笑顔が印象的な栄利子さんは句柄も明るい。現代景をあるがままに素直に表現する力は羨ましくもあり、その大らかな句姿に一読者として癒される。日常や目前の事柄に対して朗らかな好奇心を示していることが、無理のない表現と共感できる句作りに繋がっている。
 鷹に入会した時期は異なるが、年齢が近いこともありフレンドリーな関係を築くこととなり結婚式にも招待してもらった。家庭の句、子育ての句も増えてきたことを句友として嬉しく眺めている。
 勝手ながら栄利子さんの持つ句の雰囲気がずっと続いていくといいなと思うのだ。このまま目に映るその日々が当たり前のように切り取られ、それが読めたら、じんわりと温かみを覚える。いい意味でらしくあって欲しい。我儘な願いだが、そうあってくれるような気がしている。

自選十五句

小さき箱ひとつ余りぬ雛納

浴後の子タオルに受くる春夜かな

貸ボート明るき声を撒き散らす

キレ気味の車内放送酷暑なり

白日傘たたむ忽ち邪魔になる

サングラス掛けて母校を訪問す

不細工に割れし割箸ところてん

ソーダ水旅の土産を渡し合ふ

胎の子とのしのし歩く日の盛

わたしだけ汗かいてゐるエレベータ

台所に女手余る帰省かな

夫若し力まかせに胡桃割る

クリスマスキャロル履けない靴ばかり

室の花女はぐんにやりと眠る

歯ブラシのそつぽ向きあふ冬の朝

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