鷹の俳人

西山純子(にしやまじゅんこ)

西山純子(にしやまじゅんこ)

1945年 和歌山県生まれ 和歌山市在住
1996年 鷹入会
1999年 鷹同人
2004年 第5回星辰賞受賞
2018年 第37回新葉賞受賞           
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:絵画・美術品鑑賞
◆好きな食べ物:みかん、豆腐
◆長所と短所:諦めが早い
◆コレクション:アンティーク人形
◆苦手なもの:海鼠、毛虫、華やかな場

人物評 佐竹三佳

 純子さんは鷹新葉賞ならびに星辰賞を受賞された実力俳人である。自身絵筆をとられる純子さんは、絵画から芸術全般への造詣が深く、物を見る目が確かだ。
 長い歳月、和歌山から遠路厭わず大阪北部で開かれる支部句会に出席され、故山本良明さんにこれほど熱意のある人はいないと言わしめた。現在は入会間もない方も多い句会で、分かりやすく的確な講評によって教え、取り纏めておられる。句としてどうか、詩があるのかといった判断にブレはない。
 穏やかで華奢な物腰からは窺えない美なるものへの探求心、現代社会を見つめる好奇心は衰えることがない。爽やかな風が渡っていくような純子さんの背中をこれからも追い続けたい。

自選十五句

きりぎりす定時に起きて無職たり

白毫寺鹿垣の竹届きけり

雪解や廃馬を曳いてゆく牧夫

木簡のそこばくの文字凍てにけり

杉山の降白みけり今年渋

サイダーや使ひ太りの英和辞書

交番の中素つ気なき暑さかな

トラックが青年拾ふ冬夕焼

灰神楽立てて市終ふ雪間草

荷風忌や人形町に毛抜買ふ

闘鶏や寝惚け色なる雑木山

出港を待たず去りけり秋日傘

青鷹勇気はもらふものでなし

春を待つ埴輪の兵の幼顔

一文字に口を結びて鮎下る

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