鷹の俳人
夕雨音瑞華(ゆうねずいか)
1983年 愛媛生まれ
1990年 第25回子規顕彰松山市小中高校生俳句大会小学校低学年の部特選
2004年 鷹入会
2013年 鷹同人
2016年 第45回鷹新人賞
2022年 第一句集『炎夏』
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆趣味:ラジオ聴くこと、美術館行くこと、お茶の時間を取ること
◆好きな食べ物:梨、チョコレート
◆長所と短所:ポジティブ、集中力短め
◆自分を動物に喩えると:トラ
◆好きな映画:「キューティブロンド」、「プラダを着た悪魔」
◆カラオケでよく歌う曲: Chara「やさしい気持ち」
◆苦手なもの:動物
人物評 椎名果歩
瑞華さんは藤田湘子前主宰の時代に「鷹」に入会。同世代の中では句歴が長い一人だ。「鷹」新人賞受賞、第一句集『炎夏』上梓、ネット句会の幹事や地元松山での句会立ち上げなど活躍している。
郷里に根ざして暮らす一方、「鷹」の新年会で東京に滞在する際は美術館めぐりや街歩きなど積極的に行動しているらしい。天性のものに加え、それらにより培われた美意識は揺るぎないと思われ、その華やかで素敵な装いだけでなく俳句作品にも反映されているのではないか。
瑞華さんの句は、肉声のような生々しさや深い詩情をともなって読者に真っ直ぐ届く。そして仄かな切なさも湛えているように感じられる。これからも私たちを驚かせる句を披露し続けてくれるに違いない。
自選十五句
オムレツの卵を選ぶ今朝の秋
長月や派手な鞄と飛行場
破壊的快感放つ炎夏かな
晩春の雲に乗りたし縋りたし
執拗に炎気浴びせよ執拗に
アパートの明るき名前冬の草
コンビニの跡にコンビニ日短
晩春のとどのつまりは誰も居ぬ
明日はまだ足踏みのまま秋隣
美人画の沈む視線や雪柳
夏野まだ汚い言葉知らぬまま
寒林にぬくもりのある淋しさよ
マフラーを残してタイムマシン去る
船二便冬たんぽぽと地域猫
早春や素描のように出す言葉