鷹の俳人

鳥海壮六(とりうみそうろく)

鳥海壮六(とりうみそうろく)

1932年11月生まれ 神奈川県出身 小田原市在住
1987年 鷹入会 藤田湘子に師事
1996年 鷹同人
2005年 湘子逝去により主宰小川軽舟に師事
2019年 句集『梅暦』 上梓
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:詩吟 相撲観戦
◆長所と短所:温和しくて短気
◆カラオケでよく歌う曲:「琵琶湖周航の歌」「鳥取砂丘」

人物評 村場十五

 卒寿の近い壮六さん。足の動きには少し年齢相応を感じるが、俳句に対する情熱には些かも変わるところがなく句会も皆勤だ。
 湘子先生句碑の小田原文学館への建立や藤田湘子記念小田原俳句大会の実現に尽力されたご苦労は忘れられない。
 3年前の句集の帯に軽舟主宰は「篤実という言葉が鳥海さんほど似合う人を他に知らない。」と書かれた。小田原では今も顧問として後輩を導いていただいており心強く、壮六さんという誠実な俳人に憧れる人が多い。
 壮六さんのもう一つの趣味(特技?)は詩吟とカラオケである。懇親会で漢詩を朗々と披露してもらったし、水森かおりのご当地ソングに聴き惚れた。それらをふたたびと、楽しみに待つこの頃である。

自選十五句

雲の峰議場の予鈴鳴りにけり

春寒や梅根性も六十五

水馬なんにもなくて杭ひとつ

蠅虎跳ぶ玄奘の壁画より

南に海ある町や忘霜

虻とべり尾崎一雄の表札に

いくさ知る女の勁し釣忍

波高く父の日の沖暮れにけり

余震またあり魚屋の蜆桶

大寺の筍飯に忌を修す

ふり向けば函嶺蒼し冬鷗

探梅行𩸽を食うて終りけり

石蓴掻く戦艦大和沈みし日

白杖の人の手の平桑いちご

躓くも踏み出す一歩花辛夷

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