鷹の俳人
藤山直樹(ふじやまなおき)

1953年8月生まれ、福岡県生まれ、山口県の瀬戸内海岸に育つ
2009年鷹入会
2010年同人
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆趣味:落語を口演すること、ジャズボーカル、文化的執筆活動
◆好きな食べ物:なんといっても鮨
◆自分を動物に喩えると:どうも蛸らしい
◆好きな映画:「ミツバチのささやき」「ゴッドファーザーPARTⅡ」どちらも10回は観ている。
人物評 加藤静夫
藤山直樹。人は彼を「ナオキング」と呼ぶ。精神分析の学会では会長としての重責を担いながら、おっちょこちょいでよく忘れ物をし、しょっちゅうスマホを捜し回っている、どこか憎めないナオキング。
私は彼を「師匠」と呼ぶ。ホールを貸切りにして開く落語会では、談志も真っ青の口演を披露、若干鬱の私を励ましてくれる師匠。
さすがに古希を過ぎて、会長からは身を退き、落語会も一区切りつけたという。
「これよりは俳句無頼や寒の梅 湘子」
精神科と落語、論理と感覚、その二刀流を駆使して、俳句でもうひと花咲かせてみるのも一興。同じ花のニッパチ(昭和28年生れ)として、期待しないではいられない。
自選十五句
海峡を鴉は越えず春の雪
数式の蔓草模様朧の夜
死者の髪くろぐろと照る蝶の昼
東京にからだなじみし桜かな
山国の月に傷ある桜かな
信仰は口中の砂明易し
時間売る生業暗し百合ひらく
ジョバンニの孤独紫苑のこの高さ
銀漢のほとりつめたき石拾ふ
忽然と花野暮れたりフロイト忌
一群の鶏頭われににじり寄る
狐火の燃えうつりたる顔蒼し
手袋に背徳の指押し込みぬ
学問にわれ一本の冬木たり
枯芝のわが影ふいに濁りけり