鷹の俳人
布施伊夜子(ふせいよこ)
1938年 宮崎市に生まれそのまま宮崎市在住
1965年 俳句開始 「椎の実」入会
1971年 「鷹」入会
1972年 第1回鷹新人賞
1996年 第32回鷹俳句賞
2000年 鷹日光集同人
2015年 「椎の実」代表
句集 『花期』 『荒樫』 『自註・布施伊夜子集』
宮崎日日新聞 宮日俳壇選者
宮崎県俳句協会顧問
宮崎県芸術文化協会評議員
ミニ・アンケート
◆趣味:ドライブ
◆長所:大きな声
◆短所:早とちり
◆自分を動物に喩えると:母豚
◆学生時代のあだ名:ヒヨコ
◆好きな映画:スペクタクル映画
◆カラオケでよく歌う曲:「星の流れに」「恋心」
◆苦手なこと:人の顔と名前を覚えること
人物評 田上比呂美
鷹日光集同人の伊夜子さんは宮崎在住の俳人である。私たち宮崎の鷹衆は陰で親しみを込めて「親分」と呼んでいる。表立っては「伊夜子さん」。先生と呼ばれることを嫌う。毎月宮崎県内を車で巡り、各地域で指導句会を行う。北の高千穂へはもう30年近く通っている。そのバイタリティーには驚くばかり。
宮崎唯一の俳句結社「椎の実」の代表でもある伊夜子さんの元には指導を求めて人が寄ってくる。来る者拒まず、去る者追わずの理念のもと、多くの人に指導を行っている。
また、伊夜子さんは歩く歳時記でもある。吟行の時は必携の人。植物はもちろん、鳥の鳴き声で名前を教えてくれる。頭の中にある俳句の知識をコピーして自分にペーストしたいものだ。
自選十五句
ふるさとに良縁を得し賀状かな
エジプトの恋猫の闇青からむ
より高き山へ山寄る暮春かな
湘子忌やむさしあぶみも花のとき
夏旺ん木の下に木の落すもの
桐落花地中は音の透くならむ
落鮎の瀬に雲下りる日なりけり
使ふ人ある泉の辺うつくしき
梅雨明や牛にお早う樹にお早う
群青忌木蔭大きいほど涼し
船虫や遠出にいまも茹玉子
雲なくば神話なからむ瓢の笛
竹の春帰路ほど馴れし道なかり
稚魚さへや鰭美しき冬はじめ
師恩とは木箱のころの冬林檎