鷹の俳人

鈴木之之(すずきこれゆき)

鈴木之之(すずきこれゆき)

1990年生まれ 静岡県磐田市出身 浜松市在住
2019年 鷹入会
2022年 鷹同人
2023年 鷹新人賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:ボウリング(マイボウラーでハイスコアは269)、野球観戦(子供の頃からヤクルトスワローズ一筋)
◆好きな食べ物:餃子、赤飯、ウニ
◆好きな映画:「漫才ギャング」
◆カラオケでよく歌う曲:「ノンフィクション」(平井堅)
◆コレクションしているもの:ホッチキス
◆苦手なもの:虫、鳥、旅行、漬物

人物評 川原風人

 彼は数年前、一葉忌の句を携え颯爽と鷹東京中央例会に現れた。新鮮な語彙に誰もが判断を迷っていたが、軽舟主宰はその句を高く評価した。鮮烈なデビューであった。作風は斬新な切り口と情熱的な観察眼が魅力である。前者は「一葉忌」のような句に、後者は「シャボン玉」の句のような詩的現実を創りあげる句に見てとることができる。
 鷹という座を心から愛し、鷹同人になった翌年には若くして浜松に五人会を立ち上げた。また、人に自然と心を開かせる優しさを持ち合わせており、浜松の五人会結成は、之之さんの人徳の為せる技だと心から思う。
 念願であった鷹新人賞を獲得し、今後更なる進化を遂げた姿を見せてくれることを、僕は疑わない。

自選十五句

ぶつかりて片方残るシャボン玉

断れば二度目はなくて薄氷

つばくろや万年筆に手の馴染む

栓抜の尻に缶切桃の花

幼の手包む妻の手かざぐるま

エアジョーダンの潰れし踵山眠る

太腿に壁蝨の 顎門の残りけり

こころとは脳の働き冷し飴

蜩や倒れぬために漕ぐペダル

赦し難きこと赦したき銀河かな

ファー付けたサンダルずって一葉忌

枯園の雨や遠くのクラクション

開戦日一人に一つランドセル

風邪引きし吾子の寝言に電車の名

大年や妻の実家の熱き風呂

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