鷹の俳人

畠梅乃(はたうめの)

畠梅乃(はたうめの)

(「梅」は旧字体)

1959年7月生まれ 神奈川県出身 静岡県在住
2011年 朴の花入会
2014年 第一句集『血脈』上梓
2015年 朴の花退会
2016年 鷹入会
2018年 鷹新葉賞受賞・鷹同人
2021年 鷹星辰賞受賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:トレッキング、刺繍
◆好きな食べ物:B級グルメ
◆長所と短所:手が器用 / 諦めが悪い
◆自分を動物に喩えると:画眉鳥
◆好きな映画:「パンズ・ラビリンス」「蝶の舌」
◆コレクションしているもの:エスプレッソカップ

人物評 齊藤桂

 梅乃さんの俳句のファンである。梅乃さんの俳句には彼女独特の視点や発見があり詩情がある。生粋の理系女子なのに語彙は豊かだ。そんな梅乃さんは、俳句への向き合い方が本当に真剣だ。人一倍本も読み、努力もしていると思う。一見、静かで温和であるが、内に秘めたるものは激しいと思う。
 俳句を始めたのは五十歳を過ぎてと聞いている。「鷹」に入会してからわずか2年で同人、同2018年鷹新葉賞、2021年に星辰賞と着々と句歴を積んでいる。これからの梅乃さんの活躍も見逃せない。
 句座をともにした時、梅乃さんの句に出会うことが嬉しかった。これからも梅乃さんの素敵な句に出会いたい。一層のご活躍を!

自選十五句

遠山の雪薔薇色に初音かな

眩しさに芯あり蝶のくる岬

蜃気楼ペットボトルの水ぬるむ

卒業生本国に妻待つといふ

パーゴラの薔薇や貴族のやうな犬

百合生けて夜の重心ぐらぐらす

赤松に雨待つこころ貝風鈴

針山に針生えてゐる暑さかな

水口に蒼き蟹棲む稲の花

賢治忌や朝まだ遠き寝台車

全集は死へと近づく萩の花

セーターを重ねふたご座流星群

夜の雲高層階の火事に照る

雪催ラットの鼓動手にトトト

猟銃音近し日輪脈打てり

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