鷹の俳人
井上魚州(いのうえぎょしゅう)
1931年生まれ 高知県宿毛市出身 高知県在住
1992年 鷹入会
2003年 鷹同人に推挙
2013年 鷹新葉賞受賞
同年 句集『魚群』上梓
ミニ・アンケート
◆趣味:ゴルフ(ハンデ4)、空手(5段)、釣(海の魚)、囲碁(5段)
◆好きな食べ物:魚介の料理
◆長所:早い決断と実行
◆短所:やややり過ぎの嫌い
◆自分を動物に喩えると:豹のようにありたかった
◆好きな映画:時代劇(剣客もの)、探偵劇
◆カラオケ:「北国の春」、「知床旅情」
人物評 安藤辰彦
魚州さんは行動の人だ。退職後の趣味としてカルチャーで湘子に学び、鷹に入会。例会ですぐに声をかけ吟行句会を提案した。
魚州さんは海の人だ。吟行はすべて漁港、海岸、魚市場など海尽くし。江の島も猿島も真鶴半島も。皆に海の魅力を伝え、船や潮や魚への無知を啓蒙し、間違いを正してくれた。高知の二人の妹にも俳句を教えた。進歩のためとてファックス句会(今はネット句会)を神奈川、静岡から長崎の同人迄巻込んで始め、出句させた。その甲斐あって姉妹は同人に。新年会のパーティで兄妹三人目出度く、湘子師との歓談を実現した。
魚州さんは土佐の人だ。鎌倉から今は故郷に帰り、新鮮な魚や野菜を愛で、句会を楽しんでいる。
自選十五句
うららかや流れ藻につく稚魚の群
おもひだし笑出窓のシクラメン
おほるりや栃大木の
颯と晴れ夏鶯が至近距離
水脈強く放つスクリュー夏隣
今朝の秋大き魚群へ船を遣る
フィッシュポンプどどつと鰯吐きにけり
箸立に父の箸あり年の暮
船上の皆押し黙る西日かな
新しき妻の絵筆や文化の日
地曳網えいさえいさと春動く
手を差してみる湯加減や猫の恋
立飲の切り上げ時や梅雨の月
老ゆるとも吾は海の子カンナ燃ゆ
共鏡使ふ妻の手小鳥来る