鷹の俳人

宮本素子(みやもともとこ)

宮本素子(みやもともとこ)

1964年 栃木県足利市生まれ 横浜市在住
1996年頃から俳句を始める
2011年 「鷹」入会。小川軽舟に師事
2015年 「鷹」同人
2016年 新葉賞受賞
2023年 句集『ミニシアター』上梓
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:バードウォッチング、映画鑑賞、美術館巡り
◆好きな食べ物:トマト、茗荷
◆好きな映画:「ゴッドファーザー」三部作(特にPart2)、「ドッグマン」
◆カラオケでよく歌う曲:ユーミンの歌
◆苦手なもの:何気ない世間話

人物評 百橋美子

 素子さんとは、鷹事務局の仕事で知り合いました。かつて「月刊ヘップバーン」におられた事も大分経ってから知りました。仕事では、目配り気配りしつつ手早く熟し見事の一言です。
 内々の句会の為にと早朝の電車に乗り、はるばる会場の予約を取りに行く等、仲間の為に動く働く。日頃の生活の中でも捨て目を利かせ、目にしたものは心に留めて句にする。事務所からの帰りにも虫は見つける、蝶は見つける、況してや鳥も。歩く図鑑編集者です。句集『ミニシアター』の都会的な句に納得しきり。
 素子さんは、一体どこで息抜きをしておられるのでしょう。ユーミンの大ファンで、ワイン好きとか。グラスを傾け「守ってあげたい」を聴いている姿が私には見える。

自選十五句

スケボーが風の尖端五月来る

営業部出払つてゐる雷雨かな

ハンガーを滑るブラウス神の留守

火蛾舞ふやボクサー打たれても前へ

春虹のほとりに傘を忘れけり

つなぎし手離れて春を惜しみけり

秋扇バブル時代を懐かしむ

春の雪辞令に広き余白あり

短夜のジャンクフードに指汚す

かまどうま前世は魔女に仕へしと

秋の夜のミニシアターのロビーかな

水草生ふ教室ごとに時間割

うそ寒や化粧落としてかほ残る

だんまりの男にも似て冬の滝

ひた走るソーラーカーや鼓草

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