鷹の俳人

本多伸也(ほんだしんや)

本多伸也(ほんだしんや)

1979年10月石川県生まれ 小松市在住
2016年 鷹入会
2018年 同人
2019年 鷹新人賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆好きな食べ物:あんみつ
◆自分を動物に喩えると:ナマケモノ
◆学生時代のあだ名:ジャマイカ
色黒で足が速く、ジャンプ力があったから。
◆好きな映画:「十三人の刺客」

人物評 加藤又三郎

 しんさんは、歩荷のように、背負っているものを容易におろさない。何か一つくらい下ろしてもいいのではないかと思えても、契約があるみたいに、下ろすことをしない。強靭な肉体に堆い荷を鎖で縛りながら、人間社会では笑顔で「そうなんや」と眼を細くして気配りをし、楽しいときは眼を見開いて話す。
 そんな人だから地元の石川県小松市に移り住んだ後も、とくに蟹の時季は人が訪れる。訪れると、適当なプランを用意して歓待してくれる。高校の教師をしているしんさん。一軒目で立ち寄った小料理屋のバイト女子がたまたま学校の卒業生で、「ホンダ先生、ですよね?」と訊ねられても慌てたりはしない。紳士的に振舞い、ウイスキーを傾けながら俳句談義をまた続ける。

自選十五句

獅子頭ひとつ跳ねして獅子になる

春休おほきな猫の来て座る

河童忌や灯の紐の揺れ動く

窓全開車に夏の夜を満たす

炎天を来て黒き眼をしたたらす

あんみつや男ひとりの二人席

黒犀の飢ガスタンク灼けにけり

籐寝椅子から手にできる物愛す

八月は終はつた螺子が外れてゐる

破りある父の日記や鬼胡桃

ノーマ・ジーンになりたき秋の金魚かな

カバの歯のてんでばらばら草の絮

教室の夜寒荒れ野に象佇てる

木枯やダイダラボウを仰ぐ猫

畳み方違ふセーター重ねある

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