鷹の俳人

西賀久實(さいがひさみ)

西賀久實(さいがひさみ)

1928年生まれ 小田原市出身 小田原市在住
1990年 俳句を始める
1990年 鷹入会 藤田湘子に師事
1997年 鷹同人
1999年 鷹新葉賞 受賞
元現代俳句協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:園芸、バードウォッチング、観劇
◆好きな食べ物:日本食、果物
◆長所と短所:戦中派にて我慢強いが、反面涙もろい
◆苦手なもの:ジビエ、爬虫類

人物評 鳥海壮六

 平成10年、〈雑念(ざふねん)の解けたるほたるぶくろかな〉で久實さんは「鷹」巻頭を飾りました。それについて久實さんは「初学の頃、慮外の巻頭をいただき作句に目覚めた記念の一句」と話されています。その勢いのままに平成11年、第18回新葉賞を〈菜食に同調灰の水曜日〉ほかの句で受賞されました。小田原では当時初めての快挙でした。
 私は、忘れません。平成16年に小田原市長に陳情した湘子句碑建立趣意書を起草されたのは、久實さんでした。その説得力のある文章は実現の大きな要素であったと思います。
 句碑のある小田原文学館の近くに住まわれている「鷹俳句会」小田原の最長老の久實さん。これからも健康に留意され、格調の高い句をたくさん見せてください。

自選十五句

雑念の解けたるほたるぶくろかな

きつね雨すぎぬきつねのかみそりに

栴檀の実や鉄棒に女の子

梅の花うから束ねて母

青柿のまた落つ死ぬるまで戦後

かの日かの時ただにカンナの紅かりき

われもまた風船かづら後生楽

放楽や夏うぐひすを朝なさな

風説はよ河骨花かかぐ

月の出やわれも一壺となりて坐す

訪ひたしや竹の秋なる武相荘

花冷えや夢二の女頸細き

皿小鉢ふれて音せり神迎へ

灯を消して闇同じうすちちろ虫

菜食に同調灰の水曜日

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