鷹の俳人

田中未舟(たなかみふね)

田中未舟(たなかみふね)

1973年生まれ 静岡県出身 浜松市在住
2006年 鷹入会
2008年 同人
2011年 新人賞 
2012年 退会
2015年 再入会
2018年 再同人

ミニ・アンケート

◆趣味:パステル画、水彩画、猫のお世話
◆好きな食べ物:たこ焼き、サーモン
◆短所:方向音痴、大雑把
◆コレクション:万年筆のインク
◆苦手なもの:暗記、怪談、生命力に溢れた人

人物評 川口藍々

 多作で多趣味、流行に常に敏感な人。雪国育ちの私から見る未舟さんは、晴れ続く冬の遠州の空っ風の中で絶え間なく花をつける山茶花みたいだ。
 浜松で毎月お喋りランチを兼ねての二人句会をしている。未舟さんは万年筆が好きでピンクや緑、何色も持ってくる。(そんなに要る?笑)それと毎回メニューを隅々まで眺めて迷う。(早く〜、笑)でもこれは句作の推敲と同じ。彼女は時間をかけて歳時記を捲り季語を選び、言葉を探す。迷いは好奇心と最良への拘りなのだ。
 可愛いラグドールを飼っている未舟さんとの句会は、度々猫話に脱線しながらいつも充実している。そして、次々と現代的な句材に挑戦する彼女の好奇心は会うたびいつも華やかで頼もしい。

自選十五句

緑陰を駆けてジブリの原画展

石灰を引く音軽し朝桜

ものいはぬおほきまなこや袋角

団扇手に空気の読めぬをんなかな

夏果や飢ゑし音せる洗濯機

我が瞼生涯一重田草引く

帰るころ懐く子供や蛍籠

アパートの間取り図小さし草紅葉

縁側に猫の記憶や白木槿

知ることの楽しさ雀蛤に

虫の夜やピアノの椅子の簡素なる

十六夜の診察室の鞄かな

凍星や外を楽しむ愛煙家

バスタオル巻きて坂本龍馬の忌

何もかも捨てて冬木の個性かな

他のページを見る