鷹の俳人
福永青水(ふくながせいすい)
1969年5月長崎県生まれ 福岡県在住
2003年 俳句を始める
2004年 鷹入会
2006年 同人に推挙
2008年 鷹新人賞
俳人協会会員
ミニ・アンケート
◆趣味:レコード蒐集
◆好きな食べ物:カレーライス
◆長所:地道にこつこつ 短所:筆不精
◆自分を動物に喩えると:ふくろう
◆学生時代のあだ名:ふくちゃん
人物評 木下水羽
青水さんの俳号の由来は何だっただろう。聞いたかもしれないがすっかり忘れてしまった。私流に解釈するならば、「青」は青春の「青」だ。リュックにはかわいい缶バッジ、大きなプリントのTシャツ、シルバーのアクセサリーに短パンといった若々しい出で立ちが、出会った15年前から変わらずよく似合う。
いつも糸のように目を細めて柔和な笑みを湛えている青水さんだが、俳句の話となると、その目に静かな闘志が輝きだす。「もっと新しい表現を」と挑戦をやめないその姿は、志高く、夢をつかもうとする少年そのものだ。青水さんの句に感じられる青春の瑞々しさやきらめきが、どう昇華されていくのか、一人の青水ファンとしてとても楽しみである。
自選十五句
青芝に熟寝の女教師かな
腹話術人形小さき嚔せり
牡蠣小屋の隅の少年ジヤンプかな
瞬かずくちなは何を飲み込むや
独り居の時間木の実の降る時間
清貧の額寄せ聖菓切り分くる
寡婦のごと楽譜の上の黒手套
教室に飼へる銭亀みな突く
草引くやわらと崩るる蟻の国
太陽も枯蟷螂もいつか死ぬ
空家あります柊が咲いてます
朝顔の鉢を抱きて転校す
夏帽子大きく振つて別れけり
掃き集めどんぐり右往左往かな
白墨の手にハンカチを汚すなり