鷹の歴史
1964
昭和39年
藤田湘子が中心となって「鷹」を創刊。水原秋櫻子の下で湘子が編集長を務めていた「馬酔木」の底辺をひろげ、俳句の実作や批評を活発にすることが目的でした。
1966
昭和41年
飯島晴子が第1回鷹俳句賞を受賞。晴子はこれ以後、湘子とともに「鷹」を代表する作家として評論と作品においてめざましい活動をします。
1968
昭和43年
湘子が代表同人から主宰となります。有季定型の伝統俳句を踏まえつつ、柔軟に時代の空気を吸い俳句の可能性をひろげようとする「鷹」の歩みは、ここに本格的にはじまりました。
1970
昭和45年
湘子が「俳句」に評論「私詩からの脱出」を寄稿。境涯性への過度な傾きを戒めた斬新な評論で話題を集め、石川桂郎と論争になります。
1971
昭和46年
湘子が現代俳句協会に入会(のちに副会長を経て退会)。「鷹」の作品がもっとも前衛的傾向を強めた時代です。
1973
昭和48年
鷹新人賞創設。第1回を布施伊夜子が受賞。この賞は以後、多数の若手を俳壇に送り出しました。
1978
昭和53年
湘子が「俳句」に評論「愚昧論ノート」を連載。高浜虚子の見直しへと大きく舵を切ります。
1980
昭和55年
湘子は国鉄本社広報部を退職。俳句に専心する生活に入りました。後藤綾子が第26回角川俳句賞を受賞。
1981
昭和56年
湘子が「俳句」に評論「俳句以前のこと」を連載。「愚昧論ノート」の続編とも言えるこの評論で湘子は「一日十句」を決意します。
1983
昭和58年
2月4日から湘子の「一日十句」開始(3年間継続、「鷹」に全句掲載)。永島靖子が第七回現代俳句女流賞を、菅原鬨也が第29回角川俳句賞を受賞。
1985
昭和60年
俳壇最高の賞・蛇笏賞選考委員を湘子が委嘱されます(平成16年まで)。
1986
昭和61年
俳句研究賞選考委員を湘子が委嘱されます(平成16年まで)。
1988
昭和63年
『20週俳句入門』(立風書房)刊行、入門書のロングセラーとなります。
1995
平成7年
奥坂まやが句集『列柱』により第18回俳人協会新人賞を受賞。
1996
平成8年
結社活動の活性化を期して第二次「鷹」発足。地方の小句会「五人会」の活動がはじまります。
1997
平成9年
4月、湘子がNHK俳壇の選者に就任(2年間)。6月、飯島晴子が句集『儚々』により蛇笏賞を受賞。12月、湘子が「日経俳壇」選者に就任(逝去まで)。
1998
平成10年
小澤實が句集『立像』により第21回俳人協会新人賞を受賞。「あかつきに雪降りし山神還る 湘子」の句碑が長野県大町に建立されました。
1999
平成11年
小澤實の後を受けて、小川軽舟が編集長に就任。岩永佐保が第13回俳句研究賞を受賞。
2000
平成12年
湘子の句集『神楽』が第15回詩歌文学館賞を受賞。6月6日、飯島晴子が逝去。
2002
平成14年
小川軽舟が句集『近所』により第25回俳人協会新人賞を受賞。7月15日、飯島晴子を偲ぶ会開催。
2003
平成15年
加藤静夫が第48回角川俳句賞を受賞。
2004
平成16年
有澤榠樝が第18回俳句研究賞を受賞。
2005
平成17年
髙柳克弘が第19回俳句研究賞を受賞。小川軽舟が評論集『魅了する詩型―現代俳句私論』により第19回俳人協会評論新人賞を受賞。4月15日、藤田湘子逝去。小川軽舟が主宰に、髙柳克弘が編集長に、それぞれ就任。
2006
平成18年
4月号をもって「鷹」は500号となりました。これを記念して小田原文学館に「愛されずして沖遠く泳ぐなり」の湘子句碑を建立。小田原の海を見つめて育った湘子の若き日の代表作「愛されずして沖遠く泳ぐなり」が刻まれています。
2007
平成19年
小川主宰が「毎日俳句大賞」選者に就任。
2008
平成20年
小川主宰が第二句集『手帖』、および昭和三十年世代の俳人を論じた『現代俳句の海図』を刊行。髙柳克弘が『凛然たる青春』で第22回俳人協会評論新人賞を受賞。
2009
平成21年
7月号にて創刊四十五周年を迎えます。これを記念し、季語索引と初句索引を備えた『藤田湘子全句集』を刊行。辻内京子が句集『蝶生る』により第32回俳人協会新人賞を受賞。
2010
平成22年
髙柳克弘が句集『未踏』で第1回田中裕明賞を受賞。
2011
平成23年
小川主宰が「毎日新聞」俳壇選者に就任。
2012
平成24年
小川主宰が第三句集『呼鈴』を刊行。
2014
平成26年
7月号にて創刊五十周年を迎えます。小川主宰は一年間、ふらんす堂ホームページに俳句日記を掲載。のちに『掌をかざす』と題してふらんす堂から刊行。
2014
平成26年
7月号にて創刊五十周年を迎え、東京會舘で晴れやかに祝いました。五十周年記念行事として『季語別鷹俳句集』(ふらんす堂)を刊行。
2016
平成28年
『季語別鷹俳句集』をスマートフォンのアプリとして提供開始。
2017
平成29年
小川主宰が中公新書から『俳句を暮らす』を刊行。平成24年から続く関西への単身赴任の経験をもとにした、俳句を日常の詩と捉える俳句観が話題になりました。髙柳克弘が「NHK俳句」選者に就任。
2018
平成30年
大西朋が句集『片白草』で第41回俳人協会新人賞を受賞。
2019
令和元年
小川主宰が第五句集『朝晩』を刊行。
2019
令和元年
7月、鷹創刊55周年記念大会を京王プラザホテルで開催しました。
2020
令和2年
小川主宰が句集『朝晩』で第49回俳人協会賞を受賞。