鷹の俳人

渡辺柊子(わたなべとうこ)

渡辺柊子(わたなべとうこ)

1951年12月生まれ 宮城県出身 塩釜市在住
1996年 作句開始
1997年 鷹入会
2001年 鷹同人
2023年 宮城県俳句賞準賞受賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆趣味:植物を育てること。平井堅、大滝詠一の歌を聴くこと。吉岡秀隆鑑賞。 
◆好きな食べ物:無花果、マンゴー、ナッツ類
◆長所・短所とも:大雑把でケセラセラ
◆自分を動物に喩えると:蓑虫
◆好きな映画:「博士の愛した数式」「イヴ・サンローラン」
◆カラオケで歌う歌:「君は天然色」「夢で逢えたら」
◆コレクション:トトログッズ
◆苦手なもの:乗り物全般、人混み

人物評 鶴岡行馬

 自選句の〈灯る家〉は東日本大震災の時の作品である。塩竈にある柊子さんの自宅は一階が水没した。そんな時でも冷静に客観的に事態を把握しようとする態度が句に表れている。そう、決して慌てたり騒いだりしないのだ。
  鷹宮城支部の編集部長として会報発行に尽力するとともに、五人会の指導、俳人協会宮城県支部の役員などを、仕事をしながらこなしている。多忙なはずなのにいつも楽しそうにふるまっている姿は頼もしく清々しい。
 句会における評も的確で、特に調べを整えることに優れている。リズム感がよいのだ。ピアノでバッハを弾くというのも諾える。
 第四回俳句研究30句競作(小川軽舟選)で佳作。今度は鷹賞をねらって欲しい。

自選十五句

夢追いの初め蒲公英吹きにけり

灯る家灯らざる家四月尽

可惜夜や桜女郎に憑かれたる

雲雀野に空あればよし歩くなり

山藤の高きは神の領域に

桐植うる会津山師の末なれば

海鳴のむこう八月十五日 

林立の向日葵一本ずつ孤独

淋しさの密々として羽蟻の夜

嘘つきに揺れつぱなしのねこじやらし

山姥になるぞなるぞと月夜茸

釉薬の淫らに蒼し近松忌

ことごとく名を持てる島冬に入る

冬館磨きて銀のサモワール

暁の星凍裂のひびきけり

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