鷹の俳人

山下桐子(やましたとうこ)

山下桐子(やましたとうこ)

1950年1月生 神奈川県出身 鎌倉市在住
1990年 作句開始
2001年 鷹入会
2005年 鷹同人
2007年 鷹新葉賞
俳人協会・現代俳句協会会員
朝日カルチャー通信俳句講座講師

ミニ・アンケート

◆好きな食べ物:水羊羹、かに
◆自分を動物に喩えると:あらいぐま
◆コレクション:アンティーク小物
◆性格:内弁慶、方向音痴
◆苦手:カラオケ(誰とも音程が合わない)
◆好きな本:梅原猛、原田マハ、東野圭吾

人物評 宮木登美江

 NHKのランドマークタワーで湘子先生の講座を受講した桐子さんは、「鷹でやっていける」と先生の肝煎で鷹に入会した実績を持つ。そして期待と共に戸塚句会にも入会。
 吟行がとても好きで、最初の吟行地は金沢文庫だった。帰りには嬉しそうに皆と並び、坂を下った。今にも鼻歌をうたいだしそうだった。
 皆が見付けない物を捜し、拾ってきて教えてくれる。虫のむくろ、虚貝、木の実。また、別の吟行で桐子さんを捜すと、池の面をじーっと見つめている。そのような時は誰も声を掛けない。静かで理性的な人だが、詩心に溢れ、語り出すと止まらない一面もある。文法にも強く、適切な助言に会の皆が首肯。
来年からは、戸塚句会の責任者にもなる。カルチャー講師と併せて桐子さんの豊かな樹下が広がる。

自選十五句

すすきみみづく道端は子にかがやける

ふくろふや掌を不思議がる赤ん坊

一夜さの雪積む松を納めけり

鬼やらひ星原に風鳴り出づる

山里に住む人絶えし波波迦かな

緑蔭や雀つくづく陸の鳥

夏落葉母の日記の匂せり

母の知らぬ母の永久の名夜光虫

膨らんでちぢんで不死男忌の海月

かたつむり笑へば体明るしよ

火の色の蜘蛛と生れて薔薇に付く

あめんばう水輪の外へ外へ跳ぶ

飛ぶ鳥に空聳えたり風露草

山彦はことば選ばず蓼の花

夏つばめ黄昏月に翼研ぐ

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