鷹の俳人

岡本雅洸(おかもとがこう)

岡本雅洸(おかもとがこう)

1938年6月 高知県梼原町出身 土佐市在住
1978年頃  俳句を始める
1981年   鷹入会
1983年   鷹同人
1986年   鷹新葉賞
2014年   鷹俳句賞
俳人協会会員

ミニ・アンケート

◆好きな食べ物:赤飯 大福
◆自分を動物に喩えると:牛
◆好きな映画:ジャンギャバンの出演する映画
◆カラオケでよく歌う曲:「街のサンドイッチマン」

人物評 有澤榠樝

 雅洸サンの生い育ったのは、その昔「土佐のチベット」と呼ばれた孤高の僻村で、行事ごと季節ごとに地域ぐるみ集って酒盛りがひらかれる。その場では子供の存在など全く顧慮せず猥談春歌が披露され、じっと耳朶を熱くして聞いていたそうな。
 そんな情感をたっぷり滋養とした雅洸少年は、のちに静かなる土佐源氏として成長するのであった。
 雅洸サンがどれほどの愛妻家なのかは知るところではないが、お宅では俳句専一ですかと訊ねると「いやぁ一緒にテレビも見てやらんといかんしね。」とはにかんだ笑顔は、とても素敵だったのである。

自選十五句

伐倒を告る音声や寒の空

雲薄き上を日の行く寒施行

昼寝覚大魚が壁を抜けて行く

白猫の睡りのまはり木の実降る

まじなひのやうに焚火をそだてをり

鉱石の捉へし電波霜夜更く

白南風や若子の髪に雄の匂ひ

帰省子に榎大きく蔭つくる

電話鳴る水嵩たかき夜の河

金魚玉遠くを時の過行けり

大根蒔き如何なる旗からも自由

濤音の遠く静まる結露かな

流星や重機怪鳥のごとく伏す

柚子剪りし梯子降りるを惜しみをり

梟のこゑに早寝のふとん敷く

他のページを見る